新年明けましておめでとうございます!

query_builder 2023/01/12
ブログ
有限会社嶋屋

新年明けましておめでとうございます。

新年最初のブログ更新となります、嶋屋のYです。


日本経済を取り巻く環境は依然として不透明、

いや、寧ろ情勢は悪化しているといってもいい中ですが、


それはこれ、あれはこれとして、

嶋屋では『今出来る限りのことを精一杯に』をモットーに


事務所の集約による経費の削減から

陸送ドライバーのより細やかな動態管理の徹底まで

全従業員一丸となり、お預かりしたお車の 安全輸送に努めて参ります。


本年もどうぞ神奈川の陸送屋さん、

「有限会社嶋屋」

当ブログをよろしくお願い致します。


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さて堅苦しい(^^♪ご挨拶は一端ここまでにして

ここからはブログ調で....


今朝事務所までやって来る前に

小型トラックのダンプシャーシを陸送してきたのですが

出発した日高市にある日野自動車のシャーシ置き場は

氷点下まで気温が下がり、


目の前のトラックシャーシには、

窓ガラスをはじめ、シャーシやバンパー、燃料タンク、

果てはタイヤに至るまで薄っすらと白く霜化粧されて

いわば氷漬け状態。


指先は冷たく凍え、

仮ナンバーを取り付けるボルトをねじ込む動作さえ

通常の倍の時間がかかってしまいます。


「これだからこの季節は嫌だなあ~」


そんな独り言を心の中で呟きながらの朝の出発作業です。

陽気の良い季節に比べれば何一つとして準備作業にいい事がないものの


漆黒の塗装が塗られた剥き出しのシャーシや

透明なガラス部分に不意に現れた 芸術作品のような


アイス・クリスタル(氷晶)は、

この季節の私のささやかな愉しみの一つ。


エンジンを始動すると、

その振動と熱で数分で消えてしまう芸術鑑賞は、

寝起きのエスプレッソのようなもの。


いつものルーティン作業をこなし、

「準備よし!」

と業務を開始するのであります。


今年最初のブログは何か未来志向的な

明るい話題をネタに書きたいなと思っていたのですが

年初に起きたある事故の事が寝ても覚めても頭から離れないので

その事故内容の紹介と、思う事を徒然と書きたいと思います。

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私たち陸送ドライバーはその名の通り、

陸送する事がお仕事ですので、来る日も来る日も

トラックやらバスやら乗用車やら色々と車を動かしています。


でもそれと同じぐらい

電車やバスや徒歩で移動することもしょっちゅうです。


今回ご紹介するある事故は

水戸方面へ陸送した際に、

いつも乗るJR常磐線で起きた


電車と車の踏切接触事故です。

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事故は今年の1月6日午前8時過ぎ、

茨城県笠間市小原の上り踏切内で発生しました。

警報機と遮断機が下りた踏切内に軽乗用車が入り、

電車は360mほど車を引きずってやっと停止しました。


当時高萩発品川行きの普通電車には500人の乗客が乗っていましたが、

女性一人に軽傷はあったものの 脱線することなく

運転士は乗客の命を守り切りました。


その反面、車に乗っていた親子二人は死亡が確認されました。


冬休み中の報道で華やかな番組が多い中、

なんともいたたまれない気持ちでした。


報道や記事でこの親子のことが多く出てくると余計に


なぜ?


そんな疑問符が湧いて止まりません。


亡くなった親子についてですが、

50歳のパート従業員のお母さんと小学校6年生のその息子さんでした。

お母さんの年齢も、子どもの年齢もそのままほとんど私と変わりません。

それが余計に身近な事に感じた原因の一つでした。


一人っ子の息子さんの為に、パート勤務前に

近くの呉服屋で中学生になる息子の制服の採寸に

行く途中に起きた悲劇でした。


この日は中学になったら自転車も必要だから、

仕事が終わったら買いに行こうとも約束していたそうです。


息子さんの進学、さぞ楽しみにしていたことでしょう。


振り返れば、私もだいぶ前になりますが、

長女の中学の制服合わせに一緒に出向き


「こっちの方が袖が長いからいいんじゃない」


「Yシャツは替えも余計にないと困るよ」...


娘そっちのけでワクワクして会場を回ったことが思い起されます。(^-^)


きっとお母さんもそんな高揚した気持ちで

ハンドルを握っていたに違いありません。


自分のしてあげられることは何でもしてあげたい。

ましてやかわいい一人息子。

それが親ですよーうんうん


それがなぜこのような悲劇の結末に向かわなければならなかったのか。

どうしてもハンドルを握ることを職業にしていることから、

無意識にドライバー側の視点で物を捉えようとしてしまいます。


しかし先ほども書いたように、

電車には乗客500人近くが乗っており

最悪、電車の脱線、転覆、大勢の死亡者が発生していたかもしれません。


現場の踏切は後程取り上げますが、

上りと下りに別々に踏切が設置されており

踏切と踏切のあいだは中州構造となっている特殊な場所です。


親子の乗った車は北側の常磐線下り電車の踏切を渡り

上り電車踏切で遮断機が下り停車したものと推測されます。


通常であればそのまま電車が通過するのを待ち、

遮断機が上がってから発進すればいいだけでした。


電車の映像記録を分析した結果、下りた遮断機から車が進入してきたと...


このお母さんは目の前を遮る遮断機を突き破り

車を運転したことになります。


どうでしょうか、

ふつうカンカンと警報の鳴る中、

遮断機を押しのけて自車のアクセルを踏み込むことが出来るだろうか。


事故の後、この母親の夫はこう語っていました。


2021年12月に下り線で乗用車と列車が衝突した死亡事故もあり、

家族で「気を付けないといけないね」と話していた。

「何かの拍子でブレーキから足が外れたか、

(踏切内にいると錯覚して)抜けようと

慌ててアクセルを踏んでしまったとしか考えられない」



確かにその線はあるかもしれません。

ひょっとしたら踏切待ちの時間、

お母さんは後部座席に座っている息子と

制服のことについて後ろを振り返りながら

何か話していたのかもしれません。


その時、もしギアがDレンジに入ったままであれば、

踏み込んだ右足が緩み前に進んでしまったかもしれません。


中州構造のある特殊な踏切ゆえ、踏切内にいるという錯覚から

アクセルを踏んでしまったのかもしれないというのも あるかもしれません。


いずれにしても親子は亡くなってしまい、

真実が明かされることはないでしょう。


少しでも現場の状況が知りたくて、

グーグールマップで何度も北側から南側の踏切を渡り

お母さんの気持ちになって通過してみました。


後部座席には愛する我が子を乗せながら...


でもこれは本当に無責任な想像事であり、

自分の中だけにしまい込んでおく方が正しいのかもしれません。


けれど、記事のコメントにはあらゆる立場の人たちが、

それぞれの立場や考えに基づき述べており 、

それ自体は表現の自由だったり、何ら規制されることではないのですが、


どっちが悪いんだといった単純な視点での発言の中に

踏切が正常に作動していないというのであればともかく、

踏切が正常に作動し、遮断機が下りたところに車が進入してきたのなら


単に運転操作の

ミスじゃね..


みたいなコメントがあり、それはそれは確かにそうです。


そう、そうなんだよ。

確かに運転ミスが起因した事故で

見方によっては、電車の運転士は不可抗力の被害者であるし、

500人の乗客はお金を払って乗車した電車で事故に遭遇したのでは

たまったものではない。うん。


でも、親子の関係性や親の気持ち、職業ドライバーとしての贔屓目から

どうしてもそんな乾き切った言葉だけで

今回の踏切事故を落とし込むことが困難だったのも事実です。


道路交通法<第33条>には踏切の通過について記述があります。

簡単に道路交通法を紐解いてみましょう。


第一項

車両等は、踏切を通過しようとするときは、

踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、

その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、

かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。

ただし、信号機の表示する信号に従うときは、

踏切の直前で停止しないで進行することができる。


第二項

車両等は、踏切を通過しようとする場合において、

踏切の遮断機が閉じようとし、 若しくは閉じている間又は

踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。


自動車の運転免許を受けている以上、

誰しも遵守しなければならないルールです。


亡くなったお母さんも普段から利用していて、

昨年の下り線踏切の死亡事故についても


「何で事故が起きたんだろね」

といった事も話していたようです。


それが1年後、まさか自分が事故を起こすなんて!


上下線別踏切の中州構造という特殊状況から

カンカンとなる警報音も重なって

視覚の錯覚で踏切を踏み越えてしまったのなら

一番いいのはこんな特殊構造の踏切は撤去して、

上下分離式ではない、一体式のものを設置すればいい。


それには不自然に間隔のあいた上下線の線路を平行にしなければならない。

せめて今後は中州に取り残されないような仕組みが必要だろうし、

信号機のような色覚判断できる装置の設置も検討されてもいいだろう。


興味のある方は以下に現場の画像を貼っておきますので、

ご自身が運転者になった気持ちで踏切を通過してみて下さい。

もちろん後部座席には大切な家族を乗せて...




最後に、

衝突した乗用車は、電車の左前方に車体の左側面部を張り付けるような形で

車幅が元の半分以下になるほどぺちゃんこに潰れた状態でした。


もちろんお母さんは右前方の運転席に、

息子さんは左の後部席に座っていました。


未来ある子どもの夢が一つ散ってしまったこと、

そして母親の無念さ...


陸送をしていると仕事中に多くの交通事故現場に遭遇します。


そんな時、何でこんなとこで事故なんか起こすのか..


そうじゃなく、オレが事故ってたかも...


今年も

事故を起こさぬよう、

事故を誘発せぬよう、

事故に巻き込まれないよう


全方位にミリ波レーダーを発して輸送することを誓いたい。


もっと軽やかに軽やかにといつも思うのですが、

結果として重いテーマになってしまう。


最後までお読み下さり、ありがとうございます。


次回はもう少しライトなテーマでお送り出来るよう、

小ネタを探しながら

今月も陸送頑張るゾ~( `ー´)ノ

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