陸送屋さんから見た、ロードプライシング制度って?

query_builder 2021/07/31
ブログ
有限会社嶋屋

こんにちは、嶋屋のYです。
久しぶりのブログ更新になります。


いつもは陸送業務の合間、たいてい週末に神奈川県相模原市にある

嶋屋事務所へ出向きそこでこのブログ更新を行っているのですが、


先週~今週にかけて輸送業務が立て込み、

パソコンの前に立つ時間が取れませんでした。


実は今回も、陸送先で宿泊した中京地区にあるホテルの一室より

このブログ記事を書いています。


ちなみに、今回携わった陸送車両ですが
ある電気工事会社様の作業車両をご指定の現場まで輸送するという、
普段とはちょっと変わった「陸送」のお仕事でした。


陸送した車両はISUZU製のダブルキャブ1.5~2トン車、

そこに幌仕様の荷台が架装された車です。


もちろん、私たち陸送マンはご依頼のあった車両を

ご指定の場所とご指定日時にお届けするのが本来の仕事ですので、
海上コンテナ輸送のドライバーさんと同じように、
自分が運んでいる車の荷台に何が積み込まれているのかは

一切関知することはありません。


もちろん安全輸送に係わってくるので、

危険物や油類の申告はして頂きますが

今回はおそらく現場で使用する何らかの道具や

資材等が積載されていたのではないかと想像されます。


そこで、ふと疑問?


他人からの依頼で、有償で物を運ぶのって、貨物運搬輸送に当たらない?


普段陸送で運ぶのは、荷物の積載されていないトラック、
または、そもそも荷物を載せる荷台すらないシャーシが殆どです。


年に数回は今回のような、積載物のあるトラック輸送の仕事がありますが、
そのような車を陸送していると、


自分はこの車自体を運んでいるのか、

車の荷台に載っている物を運んでいるのか、
ふと考えることがあります。


通常、他人の需要に応じ、車で物を運ぶことを

「貨物自動車運送事業」と呼びます。
正確には、他人の需要に応じ、有償で、

自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して
貨物を運送する事業であって、

特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。


【貨物自動車運送事業法第2条第1項】


この業務を行うにあたっては国の許可が必要です。
いわゆる、営業ナンバーを取るってやつですね。


しかし、今回のようなに工事関係車両の陸送が主である場合、
その車両の荷台に物が積まれているかどうかは関係ありません。


もちろん今回のISUZUエルフに付いているのは

緑ナンバーではなく、白ナンバーです。
自動車で物を運ぶという点では、やっていることは

自社のトラックに他人の物を積んで運ぶ運送屋さんの仕事と一緒ですが、

車の回送が主目的であることで、そこには明確な線引きがあるのですね。


ところで、陸送中の感想はといえば、

小型トラックとはいえしっかりと積載物が載ったトラックは


こうも安定感があるのか~という感じでした!


いつもは後ろにな~んも無い「シャーシ」や、

完成車といっても何も積んでいないダンプカーばっかり運転していると
後輪はいつもドタバタドタバタ、(それでも完成車は断然マシですが)
道路の継ぎ目や至る所にある道路の凹み等では、

ガシャン~ドシャーン~と派手なBGM...
こればかりはどうにも避けられません。


しかしそれが今回のような積載物満載となってくると、

道路の繋ぎ目でもバネがしっとりと道路からの突き上げショックを

いなしてくれるのが感じ取れます。
車本来の姿っていうのでしょうか、


やっぱ普通こうだよな~って。


ある意味、感動ですね。


でもこうやって、普段と違う体験をするからこそ
いつも運んでいる車両が特殊な車であり、リヤのドタバタも含めて
一層安全運転でって思うのですよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さて、前置きが長くなりましたが、

世間では何やらオリンピックとやらが行われているそうですね。
この前、陸送で首都高に乗った時、

いつもより千円多く料金取られてびっくらこきました!


と、いうのは冗談ですが(千円上乗せは本当ですよ)、
今回は東京オリンピック(東京2020大会)による

首都高速のロードプライシング政策について一言。


陸送関係者でこの制度に不満を持っている方は多いのではないでしょうか。
そもそも、大会期間中の都内への交通量抑制が目的で、

その対象は行楽など一般のマイカーが対象だったはず。


その対象車は以下の通りです。


ETC車:軽・二輪、普通車のうち「自家用乗用車」
現金車:すべての軽・二輪、普通車
ちなみに、料金上乗せの免除制度というのも事前に用意してあり、


以下がそれです。


料金上乗せの免除について
ETC車でご利用の方で下記に該当する場合、

事前申請を行うことで料金上乗せが免除となります。
※現金車は免除となりません。
申請が必要な人:障害者手帳の交付を受けている方が運転、または同乗する車両


対象となる障害者手帳
① 身体障害者手帳
② 療育手帳
③ 精神障害者保健福祉手帳
・ 本人の運転及び同乗するものに限る(申請できる車両は1人につき1台)
・ 障害の種別・程度は不問


上記の内容を大雑把に言うと、


大会期間中はマイカーで都内に遊びに来ないで下さいね~、
もし首都高乗るんだったら千円上乗せしますよー、
でも、障害のある方は事前申請すれば上乗せはしませんから

安心して下さいね~。


と、こんな感じでしょうか。


コロナ禍で特に都内は新規感染者数が増え続けており、

そもそも不要不急の外出は控えてと言われている中、
個人的には行楽目的のマイカーは締め出してもいいのでは、

と思うぐらいです。


ところで今回のロードプライシングでは中型~特大車は対象外です。
つまり、物流システムを担うトラック輸送の主役級である車両は

ほぼ全て対象から外されています。


しかし、ここで問題が!


私たちが陸送で使う仮ナンバー「回送運行許可番号標」は

普段から一般車とは違う料金体系となっており

トラック型の場合はその軸数で料金が決められています。


トラック型といってもじつに多くのバリエーションがあって、

車体が大きいから大型とか
逆に車体が小さくても、積載量を取る為、

軸数を多く取っていれば大型に分類されたりと色々です。


イメージ的には
2軸車(ほとんどの小型トラック):普通車
3軸車(ダンプカーやミキサー車):中型
4軸車(大型貨物トラック等):大型


つまり、どんなに全長12mもある大きなトラックでも、
オバケ4トンなどとも言われる、嵩張るが軽い商品

(プラスチックトレーやお菓子など)を輸送する為、

軸数が2本で足りるトラックなどは「普通車」扱いとなったりするのです。


逆に、トレーラーヘッドなど、

いかにもイカツク重量級と思えるトラックでも、
軸数が2本しかないものは「普通車」扱いになり、

当初私もビックリした経験があります。


これら物流を担うトラック群が今回のロードプライシング政策の

対象外にされているのは当然な事として、


問題は、陸送で輸送する車が上記の「2軸車」の場合、
「普通車」扱いとしてロードプライシングの対象車になってくることです。


本来完成した小型トラックは中型車として扱われ

ロードプライシングの対象外となりますが、
仮ナンバーを付けているとこれが普通車扱いとなり、

千円上乗せの対象となってしまうのです。


我々陸送業者のドライバーは、行楽で都内に遊びに行くのではありません!


物流や経済を支えるトラック製造の根幹を支えるため、

品川港や有明埠頭といった貨物輸送船港や
都内にも多く存在する架装メーカーに日夜トラックを輸送しているのです。


それなのに、ワイワイと行楽で集まるマイカー組と

同列の取り扱いをされていることに憤りさえ覚えます。


当初は東京2020大会が開催されるのか、はたまた中止なのか、

首都高速の関係者もやきもきしていたことでしょう。
でも、仮にこのロードプライシング制度が実施されれば、

仮ナンバーの場合、中型車より普通車の方が料金が高くなるという

逆転現象が起こることは分かり切ったことです。


なぜ、その分かっていたことに対して、対応が出来なかったのか?

そこが私には疑問です。


障害者手帳を持った方は事前申請で対象外となるのに、

なぜ仮ナンバーでの通行は対象外と出来なかったのか?


今回のロードプライシングの説明欄に


「但し回送運行許可番号標を付けた車両は対象外とする」


なぜこの文言を付け加えることが出来なかったのか?


これは私の個人的な意見ですが、

業界全体の力不足ではなかったのかと思っています。


一介の陸送乗務員が述べ立てることではないかもしれませんが、
もっと業界の発言力を高め、

働き易い環境を自ら切り拓いていく必要があるでしょう。


我が嶋屋も陸送協会の一会員です。

今回はもう仕方ありません。


また同じようなことがあった際には、理不尽な不利益を被らないよう
ぜひとも業界団体は関連団体とも連携して

声を上げて発言して頂きたいです!


(もしご尽力の末の結果という事であれば、
それはそうとして感謝ではありますが...)


私は陸送業に入る前はサービス業に就いていたので、
お客様から「ありがとう」というお言葉を頂戴することが

比較的あったのですが、


陸送業はどちらかというと、エンドユーザーとの接点が少ない理由もあり、
「ご苦労さま」とか「ご苦労さん」といった

同志的労いの言葉を頂くことが多いです。


でもやっぱり人って、他人に「ありがとう」と言ってもらうと

何だか嬉しいもの。
積極的にこの「ありがとう」は口にしていきたいですね。


社会に役立つ陸送業界、
「いつも運んでくれてありがとう、陸送屋さんのおかげだよ!」


そんな言葉が頂ける陸送業界であれば、
この先も社会に必要不可欠な仕事として

存在し続けていけるのではないでしょうか。


もちろんその中で役立つ嶋屋でありたいと、
おっと、その前に、嶋屋に役立つ自分だよなー!


ごもっともです、ハイ。


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