【これぞ陸送屋さんの特権!? 日野・いすゞ・ふそうのトラック、アレこれ...】

query_builder 2021/05/14
ブログ
有限会社嶋屋

こんにちは、嶋屋のYです。
GW休暇を挟み、長い間ブログ更新をサボってしまいすみませんでした。<(_ _)>


今週から完全にGWも終わり、私も月曜日から陸送業務に復帰しました。
連休中は乗用車しか運転しなかったので、トラックの運転感覚が麻痺し、
特に月曜日はいつも以上に注意深く、

そう、例えて言うならまるで準備体操よろしく、
休暇ボケした身体をほぐすよう


サイドミラーに写り込む自車の後輪位置を念入りに確認し、
ハンドル操作とそれに伴う前輪舵角量をシンクロさせ、
右足はアクセル踏み込み、トラックの加速感と踏み込み量を足裏で感じ取り、
乗用車とは違うトラックの制動性能を、

踏み込むペダルと体内Gセンサーで補正しながら...etc


一つ一つの運転操作を確かめるように業務を開始しました。


陸送の仕事に限らず、人間の感覚はいい意味で「いい加減」で、
しばらくすると、身体に馴染んだ感覚が甦ってくるものですね。


他の陸送屋さんも同じような感じでGW明けの業務に就いたのではないでしょうか。


さてさて、前置きはこのくらいに、


今週は正直大した本数の陸送をしていないので、
ブログネタはいつか記事にしたいと考えていた、


陸送屋が感じたトラックメーカーの色々な違いを
主観たっぷりにご紹介したいと思います。


これって、簡単に言ったものの
いろんなメーカーのトラックに乗れるのって、

じつは私たち陸送屋さんの特権なんですよね~!


考えてみれば、運送会社は大抵付き合いのあるメーカーの車種を導入するし、
リコール等のリスクヘッジと、価格交渉力を高め導入コスト削減を図るため複数メーカーを導入したとしても、


大概ドライバー一人に専属車両を割り当てるマイカー方式が多いので、
今日は「HINO」、明日は「ISUZU」みたいなことは出来ない筈。


しかし、陸送屋さんは主に陸送するメーカーはあるものの、

架装メーカーさんからご依頼があれば日野だろうが、いすゞだろうが、

ふそうだろうが何でも陸送しちゃいます。


そんな経験から一つ、
陸送屋さんから見た、各商用車メーカーのここが良い!

ここはちょっと...なところなど、

普段いろんなメーカーの車に乗るからこそ見える

120%主観に基づいたアレコレはじまり、はじまり~♪


さあ、まずトップバッターは我らが絶対王者「日野自動車」です。


ある大手架装メーカー、そのメーカーは主にふそうの架装を行っています。
その担当者の方がおっしゃっていたのが


「運転席のシートはふそうより日野が断然良いね♥」と。
この意見を聞いた時、私も「そうかも」と思いました。


昔、趣味でスポーツカーを乗り継いでいた頃、

シートをレカロやらブリッドやらに交換してみると、

水を得た魚の如く走りが見違えたのを思い出します。


それぐらい車の運転にとってシートって重要です。


もちろんドライバーズシートは各メーカー力を入れており、
様々なバリエーションの中でも、

高機能シートとしてラインナップされています。


日野の高機能シートは合皮とファブリック生地が絶妙で、

硬すぎず柔らか過ぎずで、私は大して距離は走りませんが、

長距離輸送のドライバーさんには受け入れられそうだと感じました。


いすゞはドイツの名門イスリングハウゼン社の

ベルトインシートとして大々的に紹介しています。


このシートの印象は、「生地が薄く、かつ硬い」です。
シートの硬さはとても重要で、多分に好みもありますが、
仕事として長時間座ることを前提とするならば、

この硬さは、うん~どうなんだろう。


ふそうはちょうど日野といすゞを足して2で割ったような、

可もなく不可もなくといったところでしょうか。


つぎに、ドライバーが最も触れている時間が長い、ハンドルです。
これも日野が一番優れているように私は感じました。


この点、ずっとなぜそう感じるのかなと思っておりましたが、

最近になって分かったことがあります!


よく見ると日野以外のいすゞとふそうのハンドルは

ハンドル表皮の加工デザインが均一になっていますが、
日野のハンドルは上半分の箇所が、2つのパターンで形成されており、

ちょうどトラックに乗って手を置く辺りにそのパータンの箇所がきます。


パターンはハンドル外側は通常のウレタン生地ですが、
内側はポツポツと小さなドットが施されたシボ加工がされています。
ハンドルに手を添えた時に、

ちょうど手の内側がそのシボ加工の部分に触れ、

運転中に発汗した汗が適度にシボの間から拡散され、

さらっとした感じになり、

それが感覚として疲労感の低減につながるのではないのかと。


商用車ゆえに、本革巻きステアリングハンドルとはいかないまでも、
表面加工だけでこれだけの実感を感じさせるとは驚きです。


ふそうのハンドルも表皮はさらっとした感じで悪くないのですが、

ハンドル操作中何だかアナログ人間が触れると妙に落ち着かなく、

ロボテスク?な感じがするのです。


技術的確証はありませんが、ふそうのトラックは日本の商用車として

初めて『アクティブ・ドライブ・アシスト』という
高度運転支援機構が付いています。

これは自動運転でいうレベル2相当の技術ですが、

走行状況によってアクセル・ブレーキ・ハンドルのアシストをしてくれるというもの。


この中で、ハンドル操作アシストがいわゆるレーンキープ機能です。
簡単に言うと、機能がONになっている時は道路の白線を読み取って

ハンドルが自動で動きます。


私も体感したことがあるのですが、

目の前で右へ左へとハンドルが自動で動き、
乗っている大型トラックがまるで自ら意思をもったかのように

高速道路を走行していくさまは、ある意味、

時代の幕開けを感じさせるに相応しい感動を覚えたものです。


このように素晴らしい機能を持ち合わせたふそうのトラックですが、
アシストの働いていない素のハンドリングは、妙に軽々しい感じがして、


まるで電動アシストの付いた軽自動車のハンドルのような感じでした。
おそらく他社と違い、ハンドル制御の機構が追加されていることで、
どうしても人間が操作する際、ダイレクト感に欠けると言うか、

ソリッド感が乏しいと感じさせるのでしょう。


ここはドライバー目線で見るとちょっと惜しいところです。


いすゞはどうかというと、触ったタッチが硬質で、

ハンドル周りのスイッチ類がやや下方に集中している為、
視覚的にも安定感がやや劣ると思いました。


ハンドル中心軸もやや下方気味で、その点もマイナス点です。
いすゞはハンドル制御のアシスト機能はまだ未装備ですが、

ソリッド感のある日野のハンドルと比較すると手に伝わる感触が軽く、

大型トラックのハンドルとしてはどうなのかと疑問に感じました。


次に、ざっくりとキャビンの内装ですが、これは日野とふそうが互角、

いすゞはだいぶ取り残されているなという感じですね。


確かに新車価格を比べてみると、いすゞは安く、日野は高いと言われるように、掛けられたコストに応じた質感があちらこちらに見られますが、

今回はあくまでもドライバー目線ということで、

この辺りの事情は無視して続けます。


日野のキャビンは木目調パネルのオプションもありますが、

標準装備としてコンソール周辺のプラ部品に一見カーボン調?
と思わせる柄のデザインを取り入れています。

これは見た目も精悍で、常に視線の片隅に入る場所ですので

ドライバーには恰好よく映るのではないでしょうか。


ふそうはダイムラーという外国資本が入っている、というより、

もはや外国企業そのものですので、シーソー式スイッチ類が
輸入乗用車っぽい雰囲気ですね。


ふそうのメーターには燃費情報や各種警告表示が出る画面があるのですが、

走行可能距離なども表示されるので、限られた燃料でトラックを走らせる

陸送屋さんに限らず、とても便利だと思います。


いすゞはここでも他社に後塵を拝し、インジケーターの液晶も

4インチと小さく(日野のマルチインフォメーション画面は7インチ)、
狭い範囲に情報を詰め込んでいる為、正直見づらい感じです。


他社でもパネル周辺はプラ部品を使用していることに変わりありませんが、

その質感には大きな違いがあります。


いすゞは殆ど表面処理されていない、まさにプラスチッキーといった感じで、

日野は前述したように目に入る箇所にカーボン調柄を取り入れ、

その他の箇所も、反射防止のシボが加工してあったりと手が入っています。


ふそうの質感はいすゞ寄りですが、パネルデザインが欧州車の雰囲気を感じさせる為、黒い無加工のプラ部品が視界に入っても、むしろスッキリとした印象を与え、これはこれだなと思わせます。


最後にミッションについて。


ふそうは独特なコラムシフトに設置したAMT「ShiftPilot」が秀逸ですね。
ふそうのMT車には乗ったことはありませんが、変速の素早さと変速時のショックの少なさは頭一つ抜きん出ているなという印象。


これに乗ってしまうと、もうマニュアル車は要らないかも

なんて思ってしまいます。


AMTの出来に関して個人的に、

ふそう➝いすゞ➝日野の順になるかなと思います。


但し、マニュアルシフトの操作感で言えば日野が一番ゲート感が感じられ、
シフトアップ時にかっしりと入る感じで個人的には好みです。


いすゞはこの点、ハンドル操作と同様、軽すぎるタッチで、大方のトラックドライバーはもう少しがっちり感が欲しいと思うのではないでしょうか。


~ここからは番外編~


陸送のお仕事で何度かボルボのトラクターヘッドを陸送したことがあります。
やっぱりボルボは全く国産メーカーとは違った質感と操作性、そして性能を持ち合わせていますね。


価格はきっと国産の5割増し位するのでしょうが、

値段のことはさておき、ドライバーファースト感が半端ないです。


英字表記のスイッチ類は慣れないと見づらいものの、

慣れてしまえば逆にスッキリした印象になりそうですし、


シートが大柄な外国人向けの設計なのか、比較的肩幅のある私でもストンとシートに張り付いてしまいそうな感じです。


もちろん変速はAMTで、変速ショックは皆無だし、

まったく下手な乗用車より快適です。


長い未来を見据えれば、モーターショーに出品されるような

走るロボテクスがトラックの未来像なのでしょうが、


トラックの運転がまだアナログ満載の、

というより、アナログそのものである人間が運転している間は


機能一辺倒に徹するのではなく、むしろ人の感性に訴えかける商品作りが、結果として疲労の低減や安全運転に結びついてくると思うのです。


いつの日か、ボルボやスカニアオーナーたちから、


「日本のトラックに乗りたい!」


そう言わしめる車が出てくることを、個人的には期待したいですね。


今回は、いろんなメーカーのトラックを陸送する陸送屋さん目線で、
ちょっとばかりトラック批評してみました。


これからも陸送中に感じた・気づいた・閃いた!?ことがあったら
ブログを通じて発信していきたいと思います!

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