陸送屋さんも無関係ではいられない!?トラック電動化時代の夜明け~
こんにちは、嶋屋のYです。
今回は業務の都合、一週遅れてのブログ更新となりました。
さて、先週の陸送は、日野自動車さんの出荷影響もあり、
全体的に小型トラック「デュトロ」の陸送が多い一週間となりました。
「何だか先週は港への陸送が多かったな~」
そう思い振り返ってみると、
川崎港、品川港、有明・青海埠頭..と
じつに全体の7割が港への陸送に費やした一週間でした。
先週はたまたま港への陸送が多かった一週間ではありましたが、
同じタイミングで日野自動車さんによる小型EVトラックの発表があったので、
今回は
「陸送屋さんも無関係ではいられない!?トラック電動化時代の夜明け~」
と題して書かせて頂きます。
ところで皆さん、「パリ協定」ってご存じですか?
名前ぐらい聞いたことあるっていう方が多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
「パリ協定」とは2015年12月にフランスのパリで開催されたCOP21という会議で2020年以降の地球温暖化対策としてこんな取り組みしていきましょうという合意文書です。
そんな日本とは遥か遠ぉ~いパリという名を冠したこの協定。
これが我が陸送のお仕事となんの関係があるのか。
それが実は、おおありなんですよー!
地球温暖化と聞いて、真っ先に浮かぶ光景を想像してみて下さい。
私は、北極地方の氷が解け、その解けた海水が海抜の低い土地へ流れ込み、街を飲み込む光景でした。
まあ、地球温暖化を伝えるときによく使われるアレです。
その極北の氷を解かしているのが、近年増加してきた地球の温暖化。
その温暖化の原因の一つと言われるのが、人類の経済活動から産出され増加の一途をたどるCO2です。
細かい数字は専門家の方にお任せしますが、そのCO2排出量の一部は陸送業務と関わりの深いトラックから排出されているのです。
昔と違って最近のトラックは排気ガスが黒煙モクモクなんてことはなくなりましたが、
それでも、化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出している限り、CO2の排出量がゼロになることはありません。
そこで出来る限り陸送業界でも、効率化も踏まえ、積載車による陸送、船による2次輸送等モーダルシフトが進められています。
自動車メーカーでは出来る限り少ない燃料で走行できるよう、つまり燃費の向上を目指し商品の開発が進められ、その究極の先が、「脱化石燃料」である「電動化」なのです。
そこで前出の小型EVトラックです!
資料から簡単に紹介すると
このEVトラックは「日野デュトロ Z(ズィー) EV」といい、
EV車要のバッテリーは、40kwhのリチウムイオン電池を搭載。
駆動方式は、トラックでは非常識なFF(フロント)駆動!となるようです。
昔ながらのトラック乗りの方から言わせると、
「トラックにFFはあり得ない!」とか、
「坂道絶対登らないよ~」とか、
方々おっしゃる方もおありでしょう。
でもそれは多分、トラックが化石燃料を燃やして得たエネルギーを、人力によるクラッチ操作で切ったり繋げたりして「運転」していた時代の「昔のトラック」のお話であり、
現在のトラクションコントロールと荷重制御の技術、
そこに電動化によるシームレスなインバーター制御が加われば
あながち、トラックのFF化は無理とは思えないのです。
それが今、天下の日野自動車さんが「日野デュトロ Z EV」でこれを証明してみせようとしているのです!
これを「トラック電動化時代の夜明け~」と言わずして何と言いましょう!
電動自動車を語るとき、その蓄電池容量が大きく取り沙汰されますが
発表によるとデュトロZ EVは40kwhのバッテリーで約100kmの走行が出来るようです。
ある資料によると、宅配ドライバーが一日に走る距離は80km程度との数字もありますので、実際の走行距離を勘案したとしても、これくらい走行出来れば一度に配送センターから運べる量程度の走行は可能でしょう。
もちろん長距離走行は向かないかもしれませんが、
昼休憩でベースに戻り、ドライバーが昼飯を食べている間に蓄電池にもたっぷり電気を充電してあげれば十分現実的な気がしてきます。
現在陸送業界では、小型トラックの工場間輸送はまだまだ自走が多く占めていますが
電動化された小型トラックの長距離輸送は、航続距離の関係で積載車による輸送にとって代わられることでしょう。
私は積載による輸送業務は行わないので、陸送の仕事でこのデュトロに乗れるのもあと僅かと、配車一本一本を大事にしようなどと柄にもなく思い、しみじみぃ~とハンドルを握ってしまいます。
(現実問題として、積載車の入れないような街中にある架装工場などへ日野デュトロZ EVを陸送する際は、ローダーのような1台積みの積載車で納車・引き取りにいくのかしら?)
さてさて、話しを戻します。
日野デュトロ Z EVのサイズは現行デュトロよりやや小さく、
FFのメリットを最大限に活かした床面地上高は半分の400mm。
それって、大人の膝丈くらいですよ!
FFですのでもちろん後輪車軸にデフはなく、床面はオールフラット。
そんなトラックで、物流の最終段階(ラスト・ワンマイル)を駆け抜ける車だそうです。
公式ホームページの発表による画像では、外観は見慣れた現行デュトロを踏襲しています。しかしこのトラックのEV化が軌道に乗る頃には、きっと自動運転技術の進歩も更に進み、よりスマートな形状に変わっていくことが予想されます。
その昔、トヨタ自動車の豊田章男社長は
「スマートフォンにタイヤを4つ付けたようなクルマがあっても面白いのではないか」と
TOYOTA Fun-Vii(ファン ヴィー)というコンセプトカーを東京モーターショー2011に出展されました。
また、同じくトヨタ自動車の常務役員は超小型1人乗り電気自動車『Smart INSECT』について、スマートフォンに4つのタイヤがついたようなものと解説しておりました。
昨今、IT業界から自動車業界へ進出してくる動きが活発です。
iPhoneでその名を知らない人がいないApple、
中国の検索サイト最大手の「百度」(バイドゥ)による、スマート電気自動車への参入、
最近スマホの日本市場でも圧倒的なコストパフォーマンスでその名を知られるようになってきたXiaomi(シャオミ、小米科技)、
もちろん、電動自動車の分野で先行しているテスラも...etc
陸送とは直接関係ないかもしれませんが、
冗談抜きで、そのうち中国企業が作るトラックを陸送しているかもしれません。
これは中国車ではありませんが、
実際、佐川急便さんは日本のEVベンチャー企業、ASFが企画・設計し、
中国・広西に本拠地を置く広西汽車集団傘下の「柳州五菱汽車」が生産する
made in Chinaの軽自動車を2022年9月から導入するとの記事も目にしました。
余談となりますが、昔気質の私はやっぱり、デザイン内装を含め
日本人の美意識に合致するmade in Japan のトラックをこれからも陸送していきたいと思っているのですがね~。
普段の陸送業務と話題がズレてしまいましたが、
陸送屋さんはこんなことを考えながら普段仕事をしていたりもするのです。
自分だけかっ!
今回も最後までブログ拝読、
ありがとうございました。<(_ _)>
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